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OLD MAN GLOOM an exclusive interview
OLD MAN GLOOMが8年振りの新作『No』をリリースした。神出鬼没のバンドではあるが、短期ツアーは勿論、これまでも機会があれば取材にも対応してきたのは意外かもしれない。ただし過去のインタビューを見てきても、OMGでの取材ではどこか悪ふざけしながら受けていた印象がある。努めて真剣にふざけているというか、わざと小難しいことを言っているというか。
ここにとったAaron Turnerとのインタビューもその例外ではない。どの質問に対しても大言壮語、不遜な雰囲気で何となく回りくどく答えている。しかしきちんと読めば彼らの真意も見えてくるので読み飛ばしは厳禁だ。
芸術家としてどこまでもシリアスだと認識されているAaronの、こんな悪ふざけが見られるのはOMGでのみ。そういった意味でも貴重な最新インタビューだと言える。
●ライヴでプレイしたのはかなり久々だと思いますが、先頃のUS東海岸ツアーはどうでした?
Aaron(A): OMGは恐らく音楽史に於いて最高峰のライヴ・バンドだから、当然最高だったさ。昔の曲も新曲も演奏して、皆気に入ってくれた。音楽に深い思いを持っているファンをこれ以上ないってくらいに満足させたんだから、今後他のいかなるバンドもツアーする必要なんかないね。OMGを観たことがない連中には、次に我々を観られる機会までせっせと貯金しておくことを勧めるよ。深い喜びと内的調和以外のものを感じて、我々のライヴから去れる可能性はゼロだ。癒しの音を必要としている連中のために、我々はツアーし続けるべきだろうな。
●一切の告知をせずに新作をリリースするのは、ファンにとっては驚きの贈り物みたいなものです。そうした理由は?
A: インターネットがいかに音楽から魂を奪い取ってきたかを見るのに嫌気がさしたからだ。今回は我々とリスナーが共にしかるべき準備が整うまで、何人たりともに聴かれたくなかった。レコード王国に於いて新たなマジックを作り出す際、人を驚かすことは重要だったようだけど、そんなマジックは巨悪なインターネットの存在によって随分前に失われてしまった。OMGはワールド・ワイド・ウェブに対する、均質化された音楽に対する、個性を欠き人らしい感情も持ち合わせないアートのデジタル複製とその増加に対する兵器なんだ。レコードとはアートの一部分であって、ダウンロードされるべきじゃないんだ! 我々は決して屈服しない!
●今作を『No』と名付けた理由は? 何/誰に対しての‘No’なのか? ネガティヴさのシンボルというよりは、受け入れ難いものに対しての意思表示のように思えますが?
A: そう、お前は正しい。近頃の文化的金言の下らない教義、支配と消費主義に基づく世界に対してNoと言っている。本当はNoという意味合いでYesと言うヤツがどれくらいいる? 同意したとは思ってもいないことに対して何度くらいYesと言う? スイスイと地球上をぶらつく破壊的な許容性の暗い影に対して立ち上がって戦う時なんだ! OMGは今、自由と幸福を妨げる全てのものに対してNoと言うにあたり、助力が必要な人々全てに対して力を授ける自助団体/精神的成長プログラムとして認知されている。
●メンバーはそれぞれ離れて住んでいるようですが、支障は無いんでしょうか? 作曲はどのようなやり方で行ったのでしょうか?
A: コミュニケーションを取るにあたって、我々はテレパシーを使って交信しているから、地理的な隔たりは問題ではない。作曲過程で楽器を使うこともないね_様々なラボやGLOOMの側近メンバーのみが知る聖地に於いてある種の儀式を執り行うことで、我々の内なる音の神秘的な流れを物質的な形態に変換させるだけだ。だが我々がスピリチュアルな試みの完全体を互いに捧げるべく集まる時には、内なる精神の力だけによる我々個々のセクターでの努力の賜物によってかたちを成すんだ。
●作曲は共作的要素が強いものなのか、それともそれぞれのメンバーが曲を書いて持ち寄ったのか、どちらでしょう?
A: 各メンバーが知識とスキルを持ち込み、全体を完成させたという意味で共作的要素が非常に強いものだった。曲ごとの土台はメンバーそれぞれが個人ベースで組み上げたにせよ、4人全員の貢献無しに完成された曲はひとつもない。各メンバー独特の魂が複合化合物としてGLOOM的全体像に注ぎ込まれ、それが集合的試みの成果を成功に導くんだ。重要な関係者であるLuke Scarolaは我々の部隊から去ったが、彼のエネルギーを相応に複製する機器を見つけたことで、我々はかつてLukeが直接的に関わっていた頃のように機能出来たのかもしれない。
●以前の楽曲と比べると歌詞が劇的に変わりましたね。過去4作ではもっと抽象的な印象でしたが、本作ではもっと直接的な表現も目立ちます。曲によっては社会的且つ普遍的なことをテーマにしているようなものもありますね。これは各メンバーにとって自然な変化だったのでしょうか?
A: 歌詞は全てGLOOM大全から選り抜かれたものだ。とはいえ流し読みしただけだと違った印象で見えるかもしれない。いずれも過去作に通じる基本原理周辺を巡っているものなんだが。意図はこれまでと一緒_我々は宇宙での立ち位置を理解したく、有機的組織体の偉大さに仕えたく、他者と価値ある経験を共有したく願っている。そうすることで人々が我々の輝かしい具体例から利益を得られるかもしれないからね。表現を提示するにあたって出来るだけ数多くの潜在的な熱愛者にアピールするために、様々なアプローチを試してきた。このこと自体、他者の持つ知的且つ進取的領域に光を当てたいと願う者にとっては、特に珍しき習慣というわけではない。単純に我々は他のグループと比べて卓越しているし、大きくはためくGLOOMの旗の下に心ある魂が集うように、最上の有効性というものが我々に集中するんだ。
●OMGには3人のシンガーがいますが、曲によって誰がヴォーカルをとるかをどのように決めているんですか? 該当曲の歌詞を書いたメンバーがその曲を担当しているのかと考えたのですが。
A: ひとたびOLD MAN GLOOMとして知られるユニットが集まったら、自分達自身を別々の一個人としては認識しない。勿論自分達が多様な面を持っていて、どのアングルから見られれば何が一番光り輝くかは意識しているが、究極的に言って我々はひとつであり、いつでもどこでも我々が集まれば完璧なハーモニーとユニゾンで歌えるし、アートの輝かしい生を祝福することが出来る。
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